【コラム】ヴァイオリンの値段は高い?
ヴァイオリンの購入を検討している方々に、自分の経験が役に立てばと思い、記事を投稿しました。
社会人からヴァイオリンを始めた私がヴァイオリンを購入した経験をもとに、購入に悩まれている方の参考になればと思います。ヴァイオリンの価格は大きく異なり、価格帯や選び方などを紹介します。
ヴァイオリンの価格差について
ヴァイオリンの価格帯は、演奏者のスキルレベルや使用目的によって幅広く設定されています。自分の感覚的にヴァイオリンの価格は以下のように分けられます。
- 入門者向け (5万円~10万円): 初めてヴァイオリンに触れる方に最適。基本的な機能と品質を備えています。僕はバイオリンを習い始めた時は、このクラスのYAMAHAの楽器をレンタルしました。
- 初心者~中級者向け (10万円~20万円): 10万円以下のものと比べて、音色がよくなりますが、少し中途半端な印象の価格帯。入門を卒業した人や、長く続けようとしている人は、この価格帯は飛ばして次の中級者向けを検討してもよいかも。
- 中級者向け (20万円~50万円): 30万を超えてくると、中国や東欧諸国の半手工品のものが増え、明らかに音色が良くなっていきます。バイオリンをやめないと誓った人や技術的な向上を目指し、表現力豊かな演奏を追求する方にお勧め。ちなみに僕が最初に買ったのはこのランクのものを買いました。
- アマチュアの中級~上級者向け (50万円~100万円): ドイツやフランスのモダンバイオリン(1950~ぐらい?)のものが増えていきます。人によってはフランス(またはドイツ)の楽器を持ってる!という満足感を得られるかも。このクラスになると楽器によって特性が分かれていき、音色・音の大きさ・演奏性など個性が多種多様になっていきます。アマチュア演奏者には十分な楽器と言えます。
- アマチュアの上級者または音楽高校・大学生レベル (100万円~300万円): 100万を超えるとマスターメイドのものが増えていきます。イタリアの新作も買えますが、名の通った職人だと軽く200万を超えます。言うまでもなく、高度な技術と表現力を要する演奏に対応できる品質を持ちます。このあたりから明らかに音色につやが出てきて、特に高音(ものによっては低音も)の響きが変わってきます。
- アマチュアオーケストラのコンサートマスター、プロフェッショナル (300万円~1000万円): アマチュアにとっては未知の領域。300万より高くなってくると音色の違いになんて僕には分かりません(涙)。なので、収集家でなければ購入に際し、それなりの演奏技術が必然。つーか、500万 vs 800万の音色の良し悪しなんてそう簡単にプロでも聞き分けられないのでは?巨匠クラスのマスターメイド作品や一部オールドバイオリンがこの価格帯。このクラスから完全に資産的価値を持ちますが、粗悪品を購入してしまった際には目も当てられません。
- オールド、プロフェッショナル、ソリスト (1000万円以上): 最高級の音質?、歴史的価値、美術品としての価値を兼ね備えたヴァイオリン。このクラスはそれなりに裕福な家でないと当然購入できないのは言うまでもなく、プロでも自分の稼いだお金で1000万以上の楽器を購入できる人って、かなり少ないはず。。。かの有名なストラディバリウスやガルネリは軽く億を超えるので、庶民だけなく世界中の多くのプロでも雲の上の存在。ちなみに、たまたま弦楽器店でストラディバリウスが4艇置いてあって、店員さんに勧められて大変恐れ多くも専用の部屋で弾かせてもらったことがあります。
ヴァイオリン選びのポイント
- 見た目: ヴァイオリン選びにおいて見た目はとても重要だと思います。特にバイオリンを始めたばかりであれば、気に入る見た目で練習のモチベーションが変わると思います。自分の好みに合ったデザインや仕上げを選ぶことで、演奏への愛着も増します。
- 種類: 新作、モダン(20~30年前のもの)、オールド(さらに古いもの)など、ヴァイオリンにはさまざまな種類があります。それぞれに特徴があるため、用途や好みに合わせて選ぶことが重要です。
- 試奏とレンタル: 実際に試奏してみることで、そのヴァイオリンの音質や演奏感を確認できます。店舗での試奏も大切ですが、可能であれば1週間程度レンタルして自宅や練習場所で試すと良いでしょう。なぜなら店舗では購入意欲を高めるため?に試奏室は楽器がよく響きます。あまり響かない環境でも自分の気に入る音が鳴るか、または家族や先生に聞いてもらって率直な意見をもらうのもよいですね。
- 店員とのコミュニケーション: 楽器選びでは、店員さんとのコミュニケーションも楽しみの一つです。経験豊富な店員さんからのアドバイスは、自分に合ったヴァイオリンを見つける上で非常に価値があります。また、色々な弦楽器店を訪れることで、さまざまなヴァイオリンと出会い、自分にとっての理想の一台を見つけることができるでしょう。
個人的な結論:ヴァイオリンは高いのか?
最初にバイオリンを始めた時、入門用のセットが10万円でとても高価に感じました。さらに、数十万や数百万円するバイオリンには驚き、不合理に思えました。しかし、バイオリン製作は職人の手作業によるものが基本で、一人の職人が一つのバイオリンを作るのに少なくとも3ヶ月かかります。そのため、年にたった4本しか作れず、もし1本が100万円で売れたとしても職人の年収は400万円となり、実際には経費を差し引いた後の収入はそれ以下になります。この事実を理解すると、バイオリンの価格が妥当であると納得できるようになりました。
結論:バイオリンは高価である、だが正当な価格である